Kindle版「ふたり」

ふたり

「ふたり」

唐沢寿明(著)

俳優・唐沢寿明さんの自伝 エッセイです。
1996年初版なので、30台前半に書かれた本になります。

数々の作品に出演され、バラエティー番組にも出られることのある唐沢寿明さん。
演技が素晴らしいのはもちろん、コメントも面白く、かっこいいベテラン俳優さんで、明るい人物イメージですが、このエッセイの中の「唐沢潔」(本名)は暗闇を這いずって、底からよじ登って地表に出てきたような全く違う人物です。

10代の頃から、俳優になりたいと強い意志を持ち、父親とのケンカが理由で家を出て、高校を退学。
お金がなく、食べ物もない苦しい日々。そこからひとりで、俳優になるためだけに生き抜いた様が描かれています。
浅野ゆう子さんが、唐沢寿明さんの才能を見抜いて、事務所に誘うなどのエピソードも描かれており、普段テレビに出ている俳優さんとのエピソードもちょくちょく出て来て面白かったです。

山口智子さんとご結婚された唐沢寿明さん。
今でも仲の良い夫婦として有名ですが、出会いから、結婚までいきさつも素敵で、ふたりの愛情に心が温まります。最近は離婚?と噂になることもありますが、お二人には生涯連れ添って欲しい!

本当に俳優さんが描いたのかと思うほど、引き込まれる文章で一気に読み終えてしまいました。
1度高校生の時に読み、Kindleで安くなってたので再読しましたが、やはりすごくいい本です。
唐沢寿明さんの出演されているドラマがまた見たくなりました。
「白い巨塔」の財前教授の鋭さは、若かれしころの突っ張りとギラツキがあったからこそなのかなぁ。